川口行彦(矢口剣志会)
平成28年9月18日(日)、大田区立大森第四中学校において池上支部級審査が行われました。当日は、厚い雲が立ち込める曇空、湿気もあって蒸し暑い天気でしたが、子供たちはそんなことも気にしない様子で元気に会場に集まりました。
当日、審査員を仰せつかりましたが、感じたことを次のとおり振り返ってみました。
審査では、「着装がしっかりしているか」、「立礼から蹲踞までの所作は大丈夫か」、「声が出ているか」、「基本のとおり打突しているか」などが評価されますが、思い切って技を出す子が多く全体的に良好であったと思います。普段の稽古と違い、審査になると普段の力を十分に発揮することが難しいものですが、大きな声で緊張をはね飛ばす子供が多く頼もしく感じました。しかし、中には相手に正面から立ち向かわず積極性に欠ける受審者もおり大変残念に思う場面もありました。結果として特進者が1名だけでしたが、6級と4級で特進に近い受審者が数名おりましたので記しておきます。
6級では、立礼から蹲踞までの所作がしっかりしており、立合いでも有効打突は別として基本に則った打ちを出しており、相応に稽古を積んでいる子供がおりました。4級では、上位級に近い打突、立合いをして、基本打ちや打ち込みをよく練習していることが窺える子がおりました。今持っているいいところをさらに伸ばして、次回は特進してもらいたいと思います。
2級と3級の木刀による基本稽古法についてですが、皆さん良くできていたと思います。付け焼刃的ではなく、普段から練習を重ねていると感じました。特に2級受審者は、発声、打突、所作がしっかりしており、これまでの努力の結果を表現してくれたと思います。今後さらに、間合いを感じ取り、物打ちでの打突を意識して練習することと、竹刀での練習に活かすことを念頭に取り組んでいただきたいと思います。
今回は全員合格という結果でしたが、級の合格は剣道のひとつの通過点であると思います。素振り、切返し、打ち込み、かかり稽古を通して、さらに力をつけて、次回の審査会では今よりたくましくなって立合いに臨んでもらいたいと思います。
最後になりますが、付き添いの保護者の皆様、指導者、審査員、事務局の先生方、大変お疲れさまでした。今回受審した子供達がこれからも剣道を続けて、将来指導者として活躍することを願う一日でした。
審査結果



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醍醐和絵(キヤノン)
平成28年9月4日(日)東京武道館にて、青年大会の終了後に開催された表記の大会において昨年に続き優勝することができました。
当日応援してくださった皆様、また日ごろ稽古をつけてくださる大田区の先生方、諸先輩方ならびに剣友に心から感謝いたします。ありがとうございました。
簡単ですが、ここに優勝に至るまでの各試合の結果と内容を報告させていただきます。

【選手】 監督:鎌田幹雄先生(矢口)
先鋒:醍醐(キヤノン)、中堅:中村(東競)、荻津(東競)
【試合結果】(予選リーグ)
・大田区 3-0 国分寺市
初戦のためやや硬さも見られたが、それぞれ思い切った技を出し主導権を譲らない試合運びをして全員が二本勝ちを収めて勝利。
・大田区 2-1 新宿区
先鋒は相手とかみ合わずに打ち急ぐ場面が多く見られたが、ドウを先取したのち落ち着きを取り戻しその後、引きドウを決め二本勝ち。中堅は落ち着いた試合運びでコテを先取、二本目に素晴しいツキを決め二本勝ちで勝利を決め大将に繋ぐ。大将は試合中盤の近間での打ち合いの中でコテを取られ一本負け。
(決勝トーナメント)
・準々決勝戦 大田区 2-0 北区
先鋒は積極的に仕掛けるも決め手に欠き引分け。中堅は序盤の打ち合いの中でドウを先取、その後は多彩な技と安定した試合運びで時間を迎え一本勝ち。大将は序盤の打ち合いの中で得意のメンを決め一本先取。その後も盤石な試合運びで時間を迎え一本勝ちで勝利を収める。
・準決勝戦 大田区 3-0 杉並区
先鋒は中盤で相手がコテに出たところに上からメンを打ち込み一本先取。その後も攻めを緩めずに時間を迎え一本勝ち。中堅は中盤の攻防の中で真っすぐメンに出ると見せかけコテに変化して一本先取。その後も積極的な試合展開をし、相手が焦ってメンに出てきたところにコテを決め二本勝ちで勝負を決め大将に繋ぐ。大将は圧倒的な力の差を見せつけ、打ち合いの中でコテとメンを連取して1分少々で二本勝ち。
・決勝戦 大田区 2-1 日野市
先鋒は開始間もなく思い切ったメンを打ち、一本にはならなかったものの相手に十分なプレッシャーを与え試合の主導権を握る。中盤、攻め合いの中で相手がコテに出たのに対しコテメンで合わせてメンを決め一本先取。試合の流れを掴んだ勢いそのままに、間合いの攻防から相手が一瞬居ついたところにメンを打ち込み二本勝ち。チームに勢いを与えた。中堅は準決勝までと異なり試合の流れを掴めずに苦戦。中盤の攻防で相面勝負となったが、相手に裏に入られメンを献上。その後果敢に攻めるも時間となり一本負け、勝敗は大将に委ねられた。大将は「始め」の声で立つと同時に強い気勢で相手を攻め、開始早々に得意のメンを決める。これで勝負あったかと思ったが相手も譲らず、間もなくコテを取り返し1対1となり緊張感の高まる試合展開となった。しかしながら我らの大将はそのような状況にも動じることなく、「勝負」で見事な引きメンを決め勝利。
二連覇を成し遂げた。
【所感】
本大会で大田区は昨年優勝しており、私個人としては今年もぜひ勝ちたいという強い想いがありました。またいつの間にか優勝がプレッシャーになっていました。そのため、優勝が決まった瞬間は嬉しさと同じくらい安堵の気持ちが広がりました。
今回本大会への出場機会をいただいたこと、素晴しいチームメイト・監督に恵まれたことに心から感謝しております。ありがとうございました。また、この試合で多くの課題にも気づきましたので、先生方はじめ大田区の皆さまには引き続きご指導をいただけますようお願いいたします。
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東競武道館
中村 はぎ乃
平成29年9月3日(日)東京武道館にて開催された「平成29年度都民生涯スポーツ大会」について、ご報告申し上げます。
<ダイジェスト>
メンバーは去年と同じく、醍醐和絵(キャノン)・中村はぎ乃(東競)・荻津麦子(東競)。ますます脂が乗ってきた“熟女”三人。
【予選リーグ】
初戦は、対文京区。醍醐が相手の面すりあげ面で一本負け、中村が引き分けという重苦しいスタートだったが、荻津が返し胴と小手面の連打で、(ほぼ)二振りで勝利。
二戦目の八王子戦では、醍醐が序盤に小手を決めるも相手に返し胴を取り返されて引き分け。中村は荒い試合展開ながら退き小手と面の二本勝ち。大将戦はやや相手と気が合わない試合展開、途中何本か荻津の面が決まるも旗は上がらず、引き分け。
【決勝トーナメント】
一回戦は対台東区。醍醐の相手は高橋静・錬士六段。高橋錬士は、大田区青年大会メンバー大将・三森の高校の先輩であり、中村にとってもJICA剣道部で毎月一回稽古をお願いしている先輩、剣友である。序盤は醍醐の醍醐らしい技が目立ち、高橋錬士を激しく揺さぶる。しかし終盤、高橋錬士が小手抜き面を決め、さらに終了直前に返し胴を決めた。高橋錬士の集中力と気迫は敵ながら天晴。しかし二人の剣友の熱戦を見て燃えないわけがない中村、諸手突きと返し胴を決めてスコアをイーブンに戻し、大将戦につなぐ。荻津が引き分け、代表戦へ。ここは調子を上げてきた中村が登板。相手はもちろん高橋錬士。普段の稽古では分の悪い中村だが、じっと我慢。6分経過しようというところで、引き面を決める。
準決勝はコートを変えて、多摩市と対戦。先鋒の醍醐が引き分けに抑えるも、中村、前の試合の代表戦で力を使い果たしたか、綺麗に面を打たれてしまう。しかしここは大将・荻津の真骨頂、鮮やかなる面と返し胴の二本勝ちでチームのピンチを救った。
決勝戦の相手は杉並区。去年も準決勝で対戦した相手である。醍醐、終盤に相手に面を合わせられ一本負けを喫するも、中村が出小手を返して一本勝ち、大将につなぐ。荻津、自分よりさらに一回り大きい相手の面金を割らんばかりの面を決め、勝利。
大田区、三連覇。
<所感>
今年はメンバー三人のスケジュールが合わず、試合前の決起集会も合同練習も特に行えず、そして(言い訳になりますが)それぞれ、家庭の事情や仕事の関係でまとまった稽古時間が確保できない状態でした。一方、東京都の“熟女剣士”の剣道人口・剣道熱は増加しています。春の年齢別大会では四十代、五十代の部とも100人近くエントリーしていますし、人数だけでなく稽古熱心な方が増えています。本大会のレベルも年々上がってきているように感じます。
上記の理由から、今年はかなり厳しい戦いになるだろうなと予想していました。実際、今回は醍醐の調子が上がらず、準決勝では私が不甲斐ない負け方をしてしまい、大将である麦さんに余裕を持ってバトンパスすることは1試合もありませんでした。それでも連覇できたのは、やはり大田区チームのまとまりの良さ、仲間への信頼の強さ故ではないでしょうか。人間誰しも好不調の波があり、それを補い支え合うのがチームメイトの役割・団体戦の面白さだと思いますが、綱渡りのような試合が続いた今年は、去年よりもその面白さを感じることができました。鎌田監督・応援団の皆様にとってはハラハラ・ドキドキだったかもしれませんが…
最後になりましたが、今年も監督の労を取って頂きました鎌田監督と応援にかけつけてくれた“大”応援団の皆様に感謝を申し上げます。
そして、瀧澤先生。直前の稽古で、先生に貴重なご助言を頂いたおかげで、構えを崩さず我慢強く試合をすることができました!今後もご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
以上
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