■報告:都民生涯スポ-ツ大会優勝

都民生涯スポ-ツ大会、剣道部門優勝報告

監督 岡本 徹(鵜の木剣友会)

9月6日(日)午前の青年大会に引き続き、綾瀬の東京武道館にて、都民生涯スポ-ツ大会、剣道部門の試合が行われました。この大会は女子3人による団体戦で競われ、先鋒が35歳~40歳、中堅が40歳~45歳、大将が45歳以上という制限がある大会です。今回は先鋒から順に川井みつ江(キヤノン)・嘉村三奈子(東競)・瀧澤明美(東競)の3名の選手、監督岡本(鵜の木)で参加しました。選手全員の見事な戦いの結果、見事優勝することが出来ました。
まずは新宿区、青梅市との3チ-ムによる予選リ-グです。新宿区と青梅市が初めに当たり、2-1で新宿区が勝利し、その新宿区との試合となりました。初戦の緊張感、ぎこちなさも若干ありましたが、結果3人ともメン2本での6-0の完全勝利でした。2試合目の青梅市との試合も先鋒の川井選手がド-とコテで勝利したあと、中堅の嘉村選手もメン2本で勝利し、この時点で予選リ-グ突破が決まりました。大将の瀧澤選手も相手の攻めに動じずメン2本できっちりと試合を締めてくれました。
ここからは決勝ト-ナメントで、それぞれのポジションで必ず勝敗を決する(延長ありで引き分けなし)形式となりました。
まずは日野市との戦いになりました。日野市は錬成会館のメンバ-が中心で、予選リ-グの試合を見ていましたが、なかなかの強敵(事実上の決勝戦くらいかなと思うくらい)です。先鋒の川井選手はとても強い相手の北原選手に対して、粘って打ち負けず、我慢して、最後の最後2秒前くらいに逆に我慢が出来ずに打ってきた相手の面を綺麗に返してのド-が見事に決まり、1本先取し、そのまま時間切れとなり、貴重な1勝を上げてくれました。中堅の嘉村選手もこれまた強敵古谷選手からメンを1本先取しました。なんとか取り返そうと、激しく攻め続ける古谷選手に対して危ない場面もありましたが、その攻めに動じず抑えきっての1本勝ちとなり、チ-ムの勝利も確定しました。大将の瀧澤選手も落ち着いた試合運びで相手の伊籐選手からコテを先取し、途中コテを取り返されましたが、最後はまたコテを取って勝利しました。結果は3-0でしたが、かなり苦しい、どちらが勝っても不思議ではない微妙な戦いでした。それでもここに勝つことが出来て、3位以上が確定しました。
続く準決勝は板橋区との対戦となりました。この試合も前の試合と同じように3人が3人とも非常に落ち着いて自分の剣道に徹し、しっかりと構えきって、姿勢を崩さず、攻めるところは攻める、守るところは守るという懸待一致の見本になるような試合運びでした。先鋒の川井選手はメンの2本勝ち、中堅の嘉村選手がコテの1本勝ちとなり、チ-ムの勝利と決勝進出が確定しました。大将の瀧澤選手もメンを取られたもののメンで取り返し、ド-で勝利を飾りました。
いよいよ決勝戦、相手は町田市です。準決勝の試合を見ていましたが、やはり決勝に上がってくるだけの強敵です。特に先鋒の杉浦選手は動きの勢い、振りの早さも素晴らしく、川井選手の苦戦が予想されましたが、始まってみるとすぐに相手のメンを抜いての抜きド-が、更にはまた攻めてくる相手に対しての出コテが決まりあっさりと勝ってしまいました。中堅の嘉村選手もこれまでと同じように、隙のないしっかりとした試合運びでコテからのメンを先取、そしてその後もすぐに抜きド-を決めて、優勝が決定しました。そして最後の試合、大将の瀧澤選手も試合開始直後に本日一の快心の出鼻メンで1本先取。そのあとも常に相手を攻め続け、特に技の尽きたところを更に休まずに技を出し続ける試合運びは見事としか言いようがなく、最後も相手が下がるところをメン・メン・メンと3連打し、3本目が豪快な試合を決めるメンとなりました。
閉会式で千葉仁範士八段から講評がありましたが、その中で、今日の試合はとても素晴らしい試合、模範的な試合が多かったとお褒めの言葉を頂きました。実際、大田区の3名の試合は全部、そんな感じでした。
周りでは「このメンバ-なら優勝して当たり前」みたいなことを言う方もいらっしゃいますが、やはり公式試合という中でのプレッシャ-も相当ありますし、相手もそれなりの実力者も多く、結果としては全試合3-0の完全勝利ではありましたが、決して楽勝ではなく、内容は厳しい試合の連続でした。そんな中でも普段の実力を充分に発揮し、優勝を勝ち取った選手の皆様は本当に立派でしたし、誇りに思え、監督冥利に尽きるといった思いでした。選手の皆様、本当におめでとうございました。そして有難うございました。また、最後まで応援頂きました皆さんにも心より御礼申し上げます。

■報告:東京都青年大会ベスト8

東京都青年大会、剣道の部ベスト8報告

男子の部監督 岡本 徹(鵜の木剣友会)

9月6日(日)午前10時より綾瀬の東京武道館にて、東京都青年大会、剣道の部が行われました。この試合は男子は5人制で、試合時間は5分、勝敗の付かない場合は3分の延長があり、それでも勝負のつかない場合は引き分けとなる形式の団体戦です。

出場選手は先鋒から順に内田貴大(仲六)・松崎正太(馬青剣)・松本卓也(矢口剣志会)・杉浦佳夫(蒲田小)・平井教夫(矢口剣志会)、補欠に伊藤義浩(鵜の木)、監督岡本徹(鵜の木)で参加しました。
1回戦は青梅市と当たり、順にメン・メンの2本勝ち、延長戦になってからコテを取っての1本勝ち、メンを取られて1本負け、コテを取って1本勝ち、メンの取り合いでの引き分けと結果3-1-1と見事に勝利しました。負けた松本選手も含めて全員、動きは悪くなく、とても良い流れでの初戦突破となり、次への期待が充分に膨らんだ戦いでした。
2回戦は足立区を破って勝ち上がってきた調布市でした。この戦いも順にメンを先取されながらもメン・メンを連取しての逆転勝ち、メンを取っての1本勝ち、同じくメンを取っての1本勝ち、メン・コテを取っての2本勝ち、メンを先取したもののコテを2本取り返えされての負けで、結果4-1での勝利となりました。前半で勝負を決めてしまうという良い流れが続いていて、ここでベスト8が確定しました。
準々決勝は強敵、板橋区でした。勝ち上がってくる試合を見ていましたが5人とも穴がなく、厳しい戦いになると予想されました。
先鋒の内田選手は色のない素晴らしいメンで1本先取するも、さすがに相手も強く、同じような鋭いメンで取り返し、五分に。目の離せない攻防が続きましたが、ド-に来た相手をうまく捌いてのメンが見事に決まり3本旗が上がりました。「よし!難敵の先鋒に勝った」と喜んだ瞬間、合議がかかり、なんと取り消しに。残心が無かったとのこと。自分も見ていて一瞬、「もしかしたら」とは思いましたが、まさかの判定でした。そのまま試合再開となり、少し気落ちした分、コテを取られて負けてしまいました。次鋒の松崎選手はコテを先取、メンを取られましたが、最後もコテを決めて見事な勝利。中堅の松本選手はメン・コテで敗退、副将の杉浦選手はメンを先取されながらもメンを取り返し、期待を持たせてくれましたが、最後はきれいにド-を抜かれて万事休す。大将の平井選手は素晴らしいメン2本で勝ったのですが、結果2-3での敗退となりました。つくづく先鋒戦が悔やまれ、監督として異議申し立てをすべきだったと多いに反省しています。板橋区は次も勝って、準優勝しているだけに本当に残念でした。
それでもベスト8は久し振りとのこと。今回のチ-ムは5人中、なんと3人が上段を取る(補欠も含めると4人も)という少し異色の布陣となりましたが、上段に慣れていない相手も多く、有利に試合が進められたと思っています。来年以降に大いに期待が持てる素晴らしい戦いでした。選手の皆様、応援の皆様、大変お疲れ様でした。

■報告:指導者講習会

大田区剣道連盟 指導者講習会

副理事長・司会進行係・補助講師
島村 照男

秋の指導者講習会(審判法・指導法)が9月6日(日)都立大森高校体育館にて豊村東盛先生を講師として西岡会長の挨拶に続き開催されました。
午前中は10月1日以後の一級から三級までの審査に取り入れられる「木刀による剣道基本技稽古法」を重点的に指導し、豊村講師の的を射た指導と説明で参加者全員の理解は深まり、習熟度がましてより以上の成果が得られました。
午後からは審判法で2試合場に分けて秋季大会に向け技能向上を重点に行われました。
参加者全員が審判をし、有効打突の判定と見極め、審判員の位置取り、発声による試合の活性化の重要性、竹刀の点検による危険防止と指導、審判員の任務と運営の仕方等々細部にわたり指導頂きました。審判法の締めくくりとして、豊村講師の指名された試合者2名と審判員(六、七段)による模範的審判所作を参加者全員で見学して終了。
その後、全員で合同稽古を行い、汗を流しました。今回の講習会参加者は、これを機になお一層のレベルアップに努めて頂きたいと思います。
豊村講師を始め補助講師の先生方には大変すばらしい講習会になったことを深謝し、お礼を申し上げます。
以上

場 所 平成21年9月6日 大森高等学校

講 師 教士八段 豊村 東盛

木刀による剣道基本技稽古法
木刀による剣道基本技稽古法は平成15年6月に制定された。一級から三級までの審査会に日本剣道形に変わり、この稽古法が近々採用される。

  • 1.制定の目的
    • ①竹刀は日本刀であるという観念を理解させ刀に関する知識を養う。
    • ②木刀の操作によって剣道の基本技の習得と応用技への発展を可能にする。
    • ③この稽古法の習得によって日本剣道形への移行を容易にする。
    • l 一言で言うと剣道の質を高める為であると思う。
  • 2.内容
    • 基本1.一本うちの技(面・小手・胴・突き)
    • 基本2.二・三段の技(小手_面)
    • 基本3.払い技   (払い面表から)
    • 基本4.引き技   (鍔競り合いから下がり胴)
    • 基本5.抜き技   (面抜き胴)
    • 基本6.すり上技  (小手すり上面)
    • 基本7.出ばな技  (出ばな小手)
    • 基本8.返し技   (面返し胴)
    • 基本9.打ち落と技 (胴打ち落とし面)
    • ①・②・③・④・⑦は仕掛け技。⑤・⑥・⑧・⑨は応じ技。応じ技はお互い打突後同時に一歩下がって残心。
  • 3.指導上の留意点
    • ① 所作事、礼法は日本剣道形に準拠する。
    • ② 剣道形は打太刀、仕太刀と師弟関係で行うが、木刀による稽古法は元立と掛かり手とし同等の立場で行う。
    • ③すべて中段の構えで行う。
    • ④発声は掛り手、元立ち共に各打突部位の呼称を発声する。(面・小手・胴・突き)
    • ⑤足裁きは送り足を原則とし、すり足で行う。踏み込み足は無い。
    • ⑥振りかぶりは両拳より剣先が下がらないようにする。
    • ⑦打突は刃筋正しく物打ちで、一拍子の打突。
    • ⑧目付けを放さない。